物が捨てられない、その悩みは多くの人が抱えるつらい現実です。
大切な思い出の品、しかし、その背景には、想像を超える深刻な問題が潜んでいるかもしれません。
生活を脅かす事態に発展する前に、今、知っておくべきこと、できることがあるのです。
まずは、物を捨てられない原因となる可能性のある病気について、一緒に考えてみましょう。
目次
物を捨てられない人の原因となる精神疾患
強迫性障害との関連性
強迫性障害では、何度も同じ行動を繰り返したり、特定の考えにとらわれたりします。
ゴミを捨てられないのも、その一つです。
「大切なものを捨ててしまうのではないか」「不潔になるのではないか」といった不安が強く、ゴミを捨てる行為を繰り返すことで、不安を一時的に和らげようとするのです。
この不安は、本人の意志ではコントロールできません。
ゴミを捨てられないだけでなく、何度もゴミ箱の中を確認したり、何度も片付けをやり直したりするなど、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。
摂食障害との関連性
摂食障害、特に拒食症では、体重増加への強い恐怖から、食べ物を捨てられない、もしくは食べ物を溜め込む行動が見られることがあります。
これは、食べ物を「コントロールできる唯一のもの」と捉えているためです。
同様に、不用品を捨てられないのも、自分自身をコントロールするための手段として、無意識に行われている可能性があります。
うつ病との関連性
うつ病では、意欲の低下、無気力感、集中力の低下などが起こります。
そのため、片付けやゴミ出しといった、エネルギーを要する行動が困難になります。
部屋が片付かないこと自体が、さらにうつ状態を悪化させる悪循環に陥るケースもあります。
身体的にもだるさや疲労感があり、ゴミを捨てる気力さえわかないという方もいるでしょう。
統合失調症との関連性
統合失調症では、現実と非現実の区別が曖昧になることがあります。
幻覚や妄想によって、ゴミを捨てられない、もしくは捨てるべきでないという思い込みが生じる可能性があります。
例えば、ゴミの中に重要な情報が隠されていると信じていたり、ゴミを捨てることで危険が及ぶと信じている場合などです。
その他の精神疾患との関連性
ためこみ症は、独立した精神疾患として認識されています。
しかし、うつ病や強迫性障害、統合失調症といった他の精神疾患と併発することも多く、複数の要因が複雑に絡み合っている場合もあります。
他にも、認知症や発達障害などが、物を捨てられない行動に影響を与える可能性があります。
これらの疾患では、判断力や認知機能の低下、こだわりや執着心の強さなどが、ゴミを捨てられない原因となる場合があります。

物を捨てられない人のための解決策
専門家への相談
まずは、心療内科や精神科を受診することが大切です。
専門医による診断を受けることで、適切な治療法を選択することができます。
一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが、解決への第一歩となります。
家族や友人へのサポート
家族や友人からの理解とサポートは、大きな力となります。
批判や強要ではなく、寄り添う姿勢が大切です。
一緒に片付けをする、話を聞いてあげるなど、できる範囲でサポートすることで、本人の回復を助けることができます。
片付け支援サービスの活用
ゴミ屋敷になってしまった場合、専門の片付け支援サービスを利用することも検討しましょう。
プロの業者であれば、安全かつ効率的に片付けを進めてくれます。
これにより、本人は精神的な負担を軽減し、治療に専念することができます。

まとめ
物を捨てられない背景には、強迫性障害、うつ病、統合失調症、ためこみ症など、様々な精神疾患が潜んでいる可能性があります。
これらの疾患は、本人の意志だけでは解決できないケースも多く、専門家への相談が不可欠です。
家族や友人からのサポート、場合によっては片付け支援サービスの活用など、多角的なアプローチが必要となります。
早めの対処が、生活の質の向上、そして心身の健康回復につながります。
一人で悩まず、まずは専門家に相談してみましょう。
そして、周囲の理解とサポートを借りながら、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
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